不思議な気持ち ケンブリッジで剣道

 昨日、ある会の講演会に行きました。イギリス人と結婚された日本人女性が講師です。その方は、書道と剣道をされる方で、語学留学のために滞英中、剣道がご縁でご主人と知り合い、結婚、そして、イギリスやヨーロッパの国などで、書道や剣道を紹介する仕事をしていらっしゃるそうです。
 あらかじめ渡されていた講師のプロフィールを読み、どんなに怖い方だろうと思っていたのですが、丸顔でかわいい、若い方でした。お話を聴き、あらためて、日本の伝統的な文化を身に着けているのはいい事だな、と思いました。
 講演が終わり、質疑応答になった時、一人の熟年男性が手を挙げて発言なさいました。その方は剣道をされる方で、ケンブリッジに留学中、イギリスの方の剣道のお相手をなさったそうです。剣道をする方が少ないので、そういう経験ができたとの事。やはり、日本文化を身に着けていたからこその体験です。
 その方は、ケンブリッジのようなところで、剣道をやっていると、なんだか不思議な気持がした、とおっしゃいました。
これは私も分かります。昔、講談の田辺一鶴(たなべ・いっかく)師匠の事務所で働いていた時、師匠のお供で、いろいろな高座に行き、江戸や明治が舞台の講談や落語をいくつも聴きました。そして、帰宅すると、自分の部屋で、好きなジャズを聴く・・・といった生活をしていました。夜、静かな部屋で、ひとり、ジャズを聴いていると、たしかに不思議な気持がしたものです。