最高の料理

 

人生で一番美味しかった料理ってなにかな?

と思い出してみると・・・

 

イギリスは、コッツウォルズマナーハウスのレストランで食べたディナーでしょうか?

何度もイギリスに行ったのに、これといった美味しい料理も食べず、ガイドブックに載っているようなレストランにも行かず、アフタヌーンティーすら試して見なかった私なんですが、なぜか、この時だけは、事前に、旅行会社に、料理を予約しました。

 

フルコースです。

スープ、スターター、野菜、魚、お肉(ラムでした)、野菜、サマープディング(大きなプディングの中に、夏のベリーがいっぱい)、デザート、最後はお腹がはちきれんばかりだったので、コーヒーやアイスクリームなどが出てきたかどうかさえ、記憶にありません。

しかも、お味がみんなよかったです。

昔は、イギリスは、料理が不味いという定評でしたが、今は、そんなことないですね。

 

でも、贅沢したのは、この時だけです。

イギリスは、朝が大御馳走なので、お昼は、スープとパンだけとか、朝食の時、そっと持ち出したパンやリンゴを、公園のベンチか芝生で食べる、という場合が多かったです。

夕食は、まあ、そこそこに食べましたけれど。

 

あのマナーハウスのお料理は、生涯の思い出になりました。

 

 

 

まだまだこの世に

 

11月に出版した私の本を、講談師の田辺鶴瑛(かくえい)(女性です)さんにも、一冊、贈呈しようと思い立ちました。

鶴瑛さんは、田辺一鶴師匠の、プロのお弟子さんだった方です。

師匠について書いたエッセイも本に載せているんです。

鶴瑛さんは、私が、一鶴事務所に勤めていたころは、まだ前座で(講談の世界では、前座とはいわないんですよ、二枚目かな?もう忘れてしまいました)、本名のあか美(あかみ)さんで高座に出ていらっしゃいました。。

彼女は、杉並に住んでいるはずなんですが、今もそうかな?

念のため、彼女のHPを検索して、そこから、住所が変わっていないか、訊き合わせるメールを送りました。

ついでに、私の近況について、近いうちに、あの世へ旅立つことになっていますと書き添えました。

数時間後にお返事が来ました。

住所は変わっていないようです。

彼女のお返事を、そのまま書きますね。

 

 

佐藤さん、以前、せっかくお花を贈っていただいたのに、家にいなくて、好意を無にして

申し訳ございませんでした。

本をお書きになったのですか。素晴らしいですね、ぜひ読ませてください。

あの世に早く行ったらまた一鶴の話を聞かせられてかないませんよ。

まだまだこの世にいてくださいね。

 

 

あの世に行ったら、師匠の愛すべきおしゃべりを、我慢して聞こうと思ってましたが、なるほど、ちょっとうるさいかもしれないな、と思いなおしました。

講談は、大変、人間臭い芸だと思いますが、この鶴瑛さんのメールには、人間の温かさを感じました。

 

ブンガワン・ソロ

2011年(平成23年)の今日、12月7日は、歌手で声楽家松田トシさんんが亡くなられた日だそうです。

96才でした。

 

松田さんの持ち歌の一つに「ブンガワン・ソロ」があります。

 

昔、旅先のホテルの食堂に、インドネシアから来て働いているという若い娘さんがいました。

 

私は「ブンガワン・ソロ好きですよ」といって口ずさみました。

 

翌日、朝食に、食堂に降りて行きますと、彼女も働いていました。

私を見ると、娘さんの眼が、うれしそうに輝きました。

入院生活

 

先日まで入院してました。

小金井市の聖ヨハネ会桜町病院です。

 

10月に、急に具合が悪くなり、同じ市内の総合病院に入院しました。

そこでは、ちょっと辛い入院生活でしたが、途中で桜町に転院して救われた思いでした。

小規模のカトリックの病院です。

容体が安定したこともあり、気分も落ち着きました。

病室は、板張りの床で、暖かい感じがします。

看護師さんたちも、主治医の先生も、いい方たちばかりです。

毎夜、9時になると、アベマリアの音楽が病院外に鳴り響きます。

消灯の音楽なんです。

 

兼ねてから出版準備をすすめていた本を、入院してから出版しました。

ここ桜町病院には、10年くらい前に、父が、しばらく入院していたことがあり、その時、父は、とても幸せな時を過ごすことができました。

スタッフの方たちが良かったせいです。

その時の想い出も、その本の中に書きました。

病院やスタッフの方々に感謝する言葉も書いてありますので、主治医の先生や、看護師さん何人かに本をプレゼントしました。

看護師さんたちは、それをまわして読んでくださったみたいです。

彼女たちには、私の本は、新鮮だったみたいです。

 

私の入浴を介助してくださった一人の方は、私を湯船に漬けてから、話しかけてこられ、ずいぶん熱心に、お話しなさり、また、私のお話しも聴かれました。

とうとうお湯がぬるくなってきたので「あの~、そろそろ上がりたいんですが・・・」と、おそるおそる言いますと、彼女はハッとして「すみません、自分が看護師だということをすっかり忘れてました」と謝られました。

 

ベア君とメロディちゃんは、いつも、窓辺のソファに座って、おばちゃまを見守ってくれてましたが、すっかり看護師さんたちの人気者になりました。

ある看護師さんなど、二人を初めて見た時、「可愛い、可愛い、まーかわいい!」と叫ばれたほどです。

 

退院の日に、何人かの看護師さんが、挨拶に見えられました。

「佐藤さんには、私たちの知らない世界を教えていただきました」とご挨拶された方もありましたし、「ベア君とメロディちゃんに、愛情を感じてしまいました」といって、しばらく二人の傍らに立ち尽くしている方もありました。

 

楽しい入院生活でした。また戻って行けるのがうれしいです。

 

 

11月に出版した私の本 「keikoのスクラップブック エッセイと物語」 については、下記の私のHPをご参照ください。

朗読家 佐藤啓子のHPです。

 

http://www2.ttcn.ne.jp/keiko.roudoku/

 

 

 

 

はじめてのお鍋

台風の行方が気になりますが、今日の午前中は、近所の内科医院と整形外科をはしごしました。

 

診察を終え、お薬を頂くと、さ、あ今日のお昼は何にしましょうか?

 

私は、お昼が正餐ですので、お昼ご飯は大切です。

 

雨が降っていて寒いので、お鍋にしようと思いました。

海鮮鍋です。

 

といっても、具は、いつも冷凍しているホタテガイの貝柱です。

 

野菜は、整形外科の医院の前の空き地で、JAの方たちが、野菜を売ってますので、そこで買いました。

白菜とエノキです。

うどんも入れて、ぐつぐつ温かいお昼でした。

 

お昼のあとは、2階に上がり、この冬(?)初めての暖房を入れました。

23度です。

 

今夜は、お風呂で温まって、休みます。

 

はじめてのお鍋、初めての暖房でした。

黒岩涙香の本

 

東京に出て来て、初めて神田の錦華公園で行われていた青空古本市に行き、そこで、黒岩涙香の「有罪無罪」という古そうな本を見つけました。大正に出版されたようです。

学生の私にも手の届く値段でしたので、買い求めました。

あとで調べたところ、涙香は、大活躍した翻案の大家で、あの「嗚呼無情(レ・ミゼラブル)」や「巌窟王モンテクリスト伯)」などをはじめ、欧米の数々のミステリや家庭小説などを訳し、大衆に愛された文筆家のようでした。

(いわゆる赤新聞、「万朝報」のことなどは、あとで知りました。)

いかにも古めかしい文章でしたが、なにか調子よく読めて、面白く思えました。

 

当時、父方のおじが、定年退職後に、病身となり、三鷹に住んでいました。

其処へ遊びに行った時、涙香の本を見せると、読んでくれと言います。

それで、最初の方を少しだけ声に出して読みました。

おじは、「これから、時々、ここに来て、続きを読んで聞かせてほしい」といいます。

頼まれるまま、時々、おじのところに通うようになりました。

あとで、おばから聞いたところでは、おじは、私が帰った後「あの子は偉くなるよ」といっていたそうです。

えらくはなりませんでしたが、ず~っとあとで、朗読を生業とするようにはなりました。

 

こういった古い文章を読むのは、得意でした。

あとで、一鶴師匠のところにいた時、何人もの方から、講談の世界に入ったらいい、と勧められたのは、そういう文章が調子よく読めたからでもあるようです。

 

当時は、涙香の本は、高くはありませんでしたから、少し買い集めました。

今でも、本棚にあります。

終活の時、どうしようかな、と思います。

 

朗読すると、お年寄りの聴き手は喜ばれますし、私も調子よく読めるので、気持ちがよくはありますが、私、実は男性的な文章は、あまり好きではないのです。

古めかしい文章でも、「即興詩人」のようなものなら好きですけれど。

 

でも、またボランティアができるようになったら、どこかの施設で、涙香の本も、少し読んでみようかな?と思います。

でも、今のお年寄りたち、悦ばれるでしょうか?

 

おじに本を朗読してあげていたころは、意識していませんでしたが、後になって朗読の道に進んだ原点は、ここかもしれないです。

 

メロディちゃん

メロディちゃんは、いつも泣きべそです。

両手を上げてバンザイさせると、とても可愛いので、時々バンザイさせます。

そして、両脇の下を、こちょこちょとくすぐります。

メロディちゃん、笑うといいのに・・・

と思うのですが、しかし・・・メロディちゃんが笑ったら怖いでしょうね。