フェロモンのオーラ

昔、あるこじんまりした会社に勤めていました。
受付に、30代の女性社員がいましたが、彼女、とにかくもてるんです。
社内外の男性は、老若誰もが、彼女に、ぼーっとなってたと思います。
でも、私も含めて女性社員には、彼女の魅力がなにか、分からない人が多かったようです。
数年後、その会社がなくなったあと、あるお役所に、パートの面接で行きました。
応接室で待っていますと、一人のミドルの男性が入ってきました。
採用担当の係長さんだと、あとから分かりましたが、その方からは、オーラが出ていました。
身のまわに、薄いヴェールみたいなものが漂っているのです。
なんだか、ぼーっとしてしまいました。
採用されて、働くようになってから分かりましたが、女性スタッフのほとんどの方が、その係長さんに憧れていらっしゃるようでした。
ほんとに素敵な方で、いつも一緒の部下の青年が、紅顔の少年といってもいい方でしたので、内心、明智探偵と小林少年みたいだな、と思ってました。
そして、以前の会社の受付嬢のことを思い出し、彼女からも、やはり、オーラが出ていたのではないかと思いました。
異性にしか分からない、フェロモンのオーラです。
その後、そのようなオーラを出す男の方には、お会いしたことがありません。
知人の女性が、ある集まりに顔を出したところ、野村萬斎さんがいらしてて、萬斎さんからは、オーラが出ていたと話していました。
でも、それは、また違った意味でのオーラではないかと思います。
数年前に、一人の有名女優さんが亡くなりました。
亡くなった直後は、どこへ行っても、男性の方たちが「彼女、綺麗だったなあ」と言ってらっしゃいました。
でも、私には、ことさら綺麗な方だったとは思えないのです。
十人並みだったとしか・・・
身の安全と彼女の名誉のため、口を閉じてますけれど。
やはり、彼女からも、異性にしか分からない、フェロモンのオーラが出ていたのではないでしょうか?