季語がない!?

石井桃子さんの「幻の朱い実」(岩波現代文庫 上下)を、もう少しで読み終わるところです。
ところで、その中に、ヒロインの一人、蕗子が詠んだ俳句がでてきます。

 古葛籠(つづら)昔似合いし小裂(こぎれ)かな

蕗子がこの句を、俳句に詳しい知人に見せたところ、
「季語がない!」
の一言で片づけられたそうです。

「そうかなあ?季語がなくても、いい句だと思うのだけれど・・・」
と、蕗子は不服そうです。
私も、蕗子に賛成!です。
いい句のように思いますけれど・・・
季語がなくちゃ、いけないのでしょうか?

この「幻の朱い実」、なかなかいい小説だと思います。