2013-12-24 「樽」を読みながら ジャズのBGM、柔らかな照明と窓からの光、食器の触れ合う音、ほかのお客様たちの話し声。 行きつけの喫茶店のソファにもたれてF・W・クロフツの「樽」を読む。 二十世紀の初め。登場人物たちは、皆、丁寧な言葉を交わしあう。 英仏間にわたる事件の捜査。移動は船と列車を使って行われる。 ファックスもコピーもない。もちろん、コンピューターもまだない。 ゆっくりと進む捜査。ゆったりと流れる時間。 師走の昼下がり。私に与えられた恩寵のようなひと時。