困窮している友

 長年、芸能界でがんばってきた友人がいます。
震災以後、仕事が激減して、とうとう私にも、助けを求めてきました。
昨日、会いましたが、ホームレスのような状況です。
食事をご馳走して、いくらかのカンパをしてあげましたが、私にできることは、それくらいしかありません。
話しているうちに、その友人の人柄のよさに、あらためて気が付きました。
自分が選んだ道なので、しようがないと思っているのでしょう、愚痴をこぼすこともありません。
自分が困っているのに、私への気遣いもしてくれます。
通りかかった子供に笑いかけます。
ふと、この人は、子供がほしかったのではないかな?と思いました。
普通の道を歩んでいたら、と思う時もあるでしょう。
なかなか、友人のできない私なのに、その人とは、すぐ友達になりました。
不思議に気が合うのです。
年頃が同じで、「あななたち姉弟(きょうだい)みたい」と言われたりもしました。
二人とも、まっすぐなところがあります。
二人とも、マイノリティーです。
マイペースです。
私の仕事探しを手伝ってくれたこともあります。
私には、その人のめんどうをみてあげられる資力はありません。
いい友達なのに・・・と、帰って来てから、涙が出ました。