先生、これ、”さてん”って読むんですか?

世代間の知識の差は、大きいのでは?と思わせられたエピソードを一つ。
以前、数年間、私の朗読教室に在籍されていた、青年がありました。
私が、取り上げるテキストの中に、自分が知らないものや言葉が出てくると、面白がっていらっしゃいました。
あるとき、芥川龍之介の「トロッコ」を取り上げました。
明治時代に、小田原、熱海間に軽便鉄道を敷設するため、工事をしていたころのお話なのですが、その中に「茶店」が出てきました。
ところが、この青年は、私に「先生、これ”さてん”て読むんですか?」と質問されたのです。
ほかの年配の生徒さんたちは、一瞬、唖然とされ、それから、大笑いとなりました。
たしかに、時代小説を読まず、時代劇映画やドラマを観ない若い人たちが、「茶店」を知らなくても、不思議はありません。
でも、彼、藤沢周平は読むって言ってましたけれど。