朗読会 夕焼けエッセー その後

 今年1月6日に、小金井市の高齢者学級より依頼され、朗読会を行いました。
題して、朗読会「夕焼けエッセー」です。
数年前、ある方が、「夕焼けエッセーまとめて5年分」という本をを朗読にどうか、と教えてくださいました。
産経新聞関西版の読者投稿欄「夕焼けエッセー」に掲載された入選作、5年分が入っています。
審査員は、川柳作家の時実新子さん、作家の玉岡薫さん、それに、作家の眉村卓さんです。
関西の読者の方たちですから、関西弁で書いていらっしゃる方が多いです。
私の朗読教室の生徒さんたちの中には、関西出身の方がかなりいます。
その方たちの中には、日ごろ、共通語のアクセントを覚えるのに、四苦八苦している方もあります。
年配の方は、とくに、つらい思いをしていらっしゃると思います。
「夕焼けエッセー」は、アマチュアの方たちが書かれた文章ですが、作者の人生が、思いが、あふれているような、いい文章ばかりです。
また、コミカルな文章も数多くあります。
小金井市から、朗読会を開くよう、依頼された時、この本を使ってみよう、と思い立ちました。
関西出身の方に、心置きなく、関西弁を使っていただくチャンスだと思ったのです。
そして、練習した結果、11人の生徒さんとご一緒に、朗読会に臨みました。
幸い、会は、好評のうちに終わりました。
生徒さん達も、気持ちよく朗読できたと大喜びでした。
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そして、5月のある日、関西に住んでいらっしゃる女性の方(橋本典子さん)から、メールが来ました。
私のホームページで、「朗読会夕焼けエッセー」のお知らせとプログラムをご覧になったそうですが、ラストに私が読んだ「煙が目にしみる」の作者、久保田照子さんのお知り合いだとのことです。
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ご自分の作品が、朗読会で読まれたと知ったら、久保田さんが、どんなに喜ばれることか・・・久保田さんは、88歳の時に、「夕焼け空に魅せられて」という、本を自費出版されましたが、その本には、今まで、新聞などに投稿して採用された作品が、数多く載せてあり、「煙が目にしみる」も、もちろん、載っています。
よかったら、お送りします。
読んでいただけると、うれしいです。
ということでした。
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「煙が目にしみる」は、戦後間もないころ、娘時代の久保田さんが、ザ・プラターズの名曲「煙が目にしみる」と出逢った時のことを書いていらっしゃいます。
戦後生まれで、戦中も終戦直後も知らない私でも、読んでいて、涙が出てきます。
いい作品だと思います。
久保田さんのご本なら、ほかにも、たくさん、いい文章があることでしょう。
私は、すぐに、本を送ってください、とメールを出しました。
数日後、本が届きました。
久保田さんご自身が送ってくださいました。
読んでみましたら、久保田さんの長い人生の悲喜こもごもが詰まった素敵な本でした。
表紙の絵は、久保田さんが描かれたものです。
本の一番うしろに、久保田さんの写真が載っていました。
お洒落で、綺麗な、素敵な方です。
「ふだんぎ」という全国的な文章サークルに入っていらっしゃるそうですが、きっと、お仲間の間に、ファンが大勢いらっしゃることでしょう。
私は、本のお礼に、「煙が・・」の朗読のテープを送りました。
それから、数日後、久保田さんから、お礼のはがきが届きました。
とても喜んでいらっしゃる様子が目に浮かぶようでした。
老いても、こんなにうれしいことがあるのですね。
と書いてありました。
私のテープを、何度も何度も、聴いてくださっているそうです。

このようなうれしい反応があるとは思いませんでした。
インターネットのおかげです。
久保田照子さん、どうか、これからもお元気で、また、素敵な文章を書いてください。
また、朗読させていただきますよ。

*今年9月7日の、私の教室の合同発表会でも、この「煙が目にしみる」を読むつもりです。