父との会話

父のところへ行ってきました。
いつものように、朗読してあげました。
今日、読んだのは、瀬戸内寂聴のエッセイ集「嵯峨野のみち」より、「蛍」です。
季節はずれのお話なのですが、6月に、仕事で読むことになるかもしれないので、その練習をかねて、父に聞いてもらうことにしたのです。

読み終わると、父は、「寂聴さんの文章は、いいねえ、気持ちが落ち着く」と言い、続けて、「それにしても、寂聴さんは、もう少し、顔がいいと、いいんだけどねえ、かわいそうに、つらい思いをしたろう」と言いました。

私が、「田辺聖子さんも、そうだよねえ」と言いますと、父は、うなづきました。
そこで、私は、「あの人たちは、顔の代わりに、素晴らしい才能を与えられたんだよね」と言いますと、父は、「天、二物を与えず、だなあ」と、同意しました。

「私は、顔はそこそこ、才能も、そこそこでよかった」と言いますと、父は、「ほんとだね、感謝しなけりゃ」と言いました。

ああ、親って、ありがたいです。

(上記の文章は、門外不出にしようと思ったのですが、公開してしまいました。)