ケンジントン公園のりす

 昨日、ひさしぶりに、近所の行きつけの喫茶店に行きました。
一息ついて、ふと、あたりに目をやりますと、店内には、りすのぬいぐるみや、小物など、りすに関連したものが、たくさん置いてあります。
お店のお嬢さんの一人に聞いてみたところ、彼女は、りすが好きで、飼っているとのことです。
そういえば、彼女、どこか、りすに似ていないこともないな、と思って、ちょっとおかしくなりましたが、そこで、昔のことを思い出しました。
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何十年も前ですが、イギリスに旅をしたとき、ロンドンの、ケンジントン公園を歩いていました。
異常気象ということで、まだ春先なのに、公園の歩道の両側は、”フラワーウォーク”の呼び名のとおり、花盛りです。
カメラを持って行きましたので、あちこち写しながら歩いていますと、道の傍らから、何か小さな物が飛び出してきました。
見ると、りすです。
私のカメラの前で、両手を広げて、ポーズをしています。
写真を撮ってください、と言っているのでしょうか?
一瞬、私は、メルヘンの国に迷い込んだのか、と思いました。
気持ちを落ち着けて、あたりを見ますと、近くで、イギリス人だと思われる、老夫人が、掌に、ピーナッツを載せて、りすに差し出しています。
りすは、手を差し出して、彼女から、ピーナツをもらうと、小走りに、家(?)に帰っていきました。
先ほどのりすは、餌をくださいと、意思表示をしていたのですね。
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ロンドンでは、りすや鳩などが、人間から餌をもらうのに、とても慣れています。
人を全然、恐れません。
翌日から、私は、食事の際の、パンの残りなどを、ポケットに忍ばせて出かけるようになりました。
そういえば、子供のころ観た、ディズニーの「メアリ・ポピンズ」に、鳩の餌を売るおばあさんが出てきました。
タペンス・ア・バッグ(一袋2ペンス)と、呼びかけていたのを思い出します。