永遠の少女は辛い

 私は、年齢の割りに、世間ずれしていない、とよく言われます。
私たちの失ったものを持っている、と好意を寄せてくださる方もありますが、損することの方が多いです。
以前、ある大きな会社で、派遣社員をしていた時、たまたま、私の部署の課長代理の方と、エレベーターで一緒になりました。
二人きりです。
何か話さなければ、間が持ちません。
けれど、私は、どうしても、話題が見つからず、下を向いて、黙っていました。
課長代理は、気味悪く思われたのでしょう。
それからしばらくして、私は、配置転換になりました。
その会社では、派遣社員が、配置転換にあうことは、滅多にありませんので、おそらく、その方が、上司にうったえられたのだと思います。
また、それよりずっと前ですが、一時勤めていた、あるビル管理会社で、お昼休みに、会社の近くを歩いていた時、社長とすれ違ったのですが、私は、社長に気が付かず、挨拶をしませんでした。
社長は、私が、無視したと思われ、大変立腹されたそうです。
それから間もなく、その会社で、社員のリストラが始まり、私は、女子社員のリストラ第一号になりました。
私は馬車馬みたいで、まっすぐ前を向いて、行き先のことだけを考え、わき目もふらずに歩いています。
友人、知人の間では有名なのですが、社長とはなじみがないので、誤解されてしまったのです。
こんな具合ですから、損ばかりしています。
もっと世間なれしなければいけないのですが、綺麗なことが大好きで、現実を見たがらず、夢ばかり見ています。
永遠の少女には、辛いことが付き纏います。