朗読しながら泣いてしまう作品

朗読しながら、泣いてしまう作品がいくつかあります。

まず、「ふるさと冬の思い出」
これは、渡辺武任さんという男性の方が書かれた、雪国での子ども時代の思い出です。
厳寒の地での、貧しいけれど、優しく、温かい両親の愛情に包まれた、 幸せな子ども時代・・・
今はもういない、お父さんとお母さんの思い出が描かれていて、私だけではなく、年配の日本人なら、たいていの方が、涙ぐんでしまわれるでしょう。

それから、芥川龍之介の「杜子春
この名作といわれる作品は、朗読教室で取り上げられることが多いのではないかと思いますが、その一節、

主人公の杜子春が、仙人になるためには、どんなことがあっても、口をきいてはいけない、と言われているのに、地獄で再会した、馬に生まれ変わっている母親が、鬼の鞭に打ち据えられながら、
「私は、どんな目にあっても、いいのだよ、お前が口を開きたくないのなら、黙っておいで」
と言われ、たまらず、
「お母さん!」
と叫んでしまう、というシーーンでは、私も含めて、たいていの方が読みながら、泣いてしまわれます。

その他にも、皆さん、いろいろな作品を読みながら泣かれます。
その作品に、ご自分を重ね合わせていらっしゃるのでしょう。
以前、宮沢賢治の「夜鷹の星」を、読みながら泣かれる若い方を見ました。