ナイン・テイラーズ

皆様、明けまして、おめでとうございます。
2019年の幕開けですね。
今年も、よろしくお願いいたします。

晦日の夜、読み終える予定だったミステリがあります。
ドロシー・L・セイヤーズ(1893〜1957)の「ナイン・テイラーズ」(1934年刊)です。
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晦日の夜、イースト・アングリアの小さな村を通りかかったピーター・ウィムジー卿の車は、大雪のため、動かなくなります。
従僕のバンターとともに、必死に作業をするのですが、とても無理。
そこで、近くに人家を見つけ、助けを乞います。
一夜の宿を、村の牧師館で過ごすことになり、やっと、車を救出する目途も付いたのですが、村の人たちは、困っていました。
インフルエンザが猛威を振るい、大晦日から新年の朝までに教会の鐘を鳴らす人員がそろわないのです。たまたま、転座鳴鐘術を知っていたピーター卿は、久々に鐘綱を握ります。
翌朝、豊かな時間を胸に、出立する時には、再訪することなど考えてもいませんでした。
ところが、春がめぐる頃、教区教会の墓地に見知らぬ死体が埋葬されていたと告げる便りが舞い込みます。名探偵、ピーター卿の謎解きが始まりました。
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除夜の鐘が鳴り終えるまで起きていられない早寝の私は、それまでに、この本を読み終えていました。日本の除夜の鐘を聴きながら、英国、イーストアングリアの教会の新年を告げる鐘の音を本の中で聴く・・・という贅沢は経験できませんでしたが、豊かなひと時が持てました。

大作です。
ずっしりとした重みで、手ごたえがあります。
名作といわれるのは分かります。
現代のミステリと比べると、ちょっと難しいかな?とは思うのですが、古典ミステリファンの方は、挑戦してみたらいかがでしょう。