こがねい クリスマス・コンサート

こがねい クリスマス・コンサート
荘村清志×福田進一DUO with 波多野睦美

ということで、昨日の午後、武蔵小金井駅前の小金井宮地楽器ホール、大ホールに行ってきました。
男性お二人のギター演奏と、メゾソプラノ波多野睦美さんの協演です。
巧みなギター曲のあと、真紅のドレスに身を包んだ歌姫の登場。
宮地楽器大ホールは、天井の高い立派なホールですが、美しく澄んだ歌声が天井まで上っていくのが、まるで目に見えるようでした。
私にとっては、20年ぶりの歌声でしたが、昔と少しも変わりません。日々の鍛錬ぶりがうかがわれます。
昔に比べると、ボディーが、やや、ふっくらなさったかな?と感じましたけれど。
初めに「カタロニア民謡:鳥の歌」これは聖夜を祝う歌なんですね、波多野さんの説明で、初めて知りました。
つづいて、武満徹さんの「小さな空」、これは日本語の歌です。
正直なことをいうと、「鳥の歌」も「小さな空」もすばらしい歌声ではありますけれど、心にしみこんでくるものが、今一つないなあ、と思っていましたが・・・
後半の ラシレス作曲「夏のクリスマス」や最後の、ファリア作曲「7つのスペイン民謡より  ホタ、ナナ、ポロ」を聴いて納得しました。
後半の大変な力強さが必要とされる歌を歌うために、前半は、パワーを抑えていらしたのだと。
歌も朗読も同じだと思いました。
いくつもの話を朗読する場合、かなりのエネルギーが必要な作品を後半に予定していると、前半は、少し抑えて読まなければいけません。ジャンルは違っても、また、このように高名な方も、しがない朗読者の私も、その点は同じなのだと思いました。
アンコールで波多野さんが歌われた「聖母の御子」も、とてもよかったです。波多野さんが、事前に、歌の題をいうのを忘れられたのでしょう、終わった後、荘村さんが、さりげなく補足なさったのには、好感を持ちました。
スリムでトールな荘村さんと、ふっくら型の福田さんのコンビも、とてもよかったです。
お二人が、演奏の合間に、控えめに冗談をやりとりされるのも、気持ちよく思えました。
舞台上には、ホールのスタッフの方によるのでしょうか、クリスマスらしい、ささやかですが、綺麗なかざりつけがされていて、これも素敵。クリスマスにふさわしい、よいコンサートだったと思います。

(コンサートは、2016年12月17日(土)午後2時より行われました。)