小兵衛さんとおはるさん

父と母は、年齢が少し離れていました。
それで私たちは、父が先に逝くのだとばかり思っていました。
意外にも、母が先に旅立ちました。
池波正太郎の「剣客商売」の主人公、小兵衛さんは、60才ごろ、まだ若い娘だったおはるさんをお嫁さんに迎えました。
私も含めて読者の多くは、小兵衛さんの方が先に逝くものだとばかり思っていたでしょうが、意外にも、若いおはるさんの方が、50才くらいで先に逝き、小兵衛さんは、そのあと、90才くらいで旅立ったことになっています。
父と母のことを思い出す時、よく小兵衛さんとおはるさんのことを連想します。
ただ、父と母は、小兵衛さんたちほどは年が離れていませんでしたけれど。