シネマ歌舞伎を観ました

昨日、歌舞伎座の近くの東劇に、シネマ歌舞伎を観に行きました。
演目は 
①「二人藤娘(ににんふじむすめ)」 と 

②「日本振袖始(にほんふりそではじめ) 大蛇退治」 です。

①は、藤娘二人を、それぞれ坂東玉三郎中村七之助が演じ、舞います。
それは綺麗でした。
②は、「古事記」に出てくる八岐大蛇(やまたのおろち)に基づくお話です。
坂東玉三郎が、八岐大蛇を演じるのですが、おろちは、岩永姫(いわながひめ)の化身という事で、初めは姫君姿で、後半は恐ろしい大蛇の姿で演じました。
岩永姫は、美しい妹の木花咲耶姫(このはなさくやひめ)に、恋する人を奪われ、その怨念が凝り固まって、大蛇になり、美しい娘を根絶やしにしたいとの思いから、見目麗しい娘たちを、次々に食べてしまいます。
たまたま、スサノオノミコトが、恋仲になっていたイナダ姫を、大蛇の生贄になるところから救い、大蛇は殺されてしまいます。
女形玉三郎が、恐ろしい大蛇の姿になり、立ちまわりを演じたのには、びっくりしました。

映画の中で、初めに、玉三郎により、それぞれの演目についての簡単な説明がありました。
姫君姿の大蛇の心の苦しみ、また、なぜ「振袖始」という題かなど、この説明を聴かなかったら分からなかったでしょう。

「二人藤娘」も綺麗でしたし、「振袖始」も迫力がありました。

スサノオノミコトを演じた中村勘九郎は、若くて力強い演技で気持ちよかったです。

女形はあまり好きになれませんが、歌舞伎の初めのころ、風紀紊乱(ふうきびんらん)をさけるため、女性が舞台に立つのが禁じられたので、やむなく男性が女性を演じることが始まったと聴いています。しかたなかったのでしょう。それが立派な文化になったわけです。
英国でも、シェイクスピア劇で同じようなことがあったように聴きます。

歌舞伎は、私には今ひとつ好きになれないとはいえ、厳然として存在する文化です。
とても美しく、迫力があるには違いありません。
役者さんたちには並ではない体力、精神力が要求されます。
厳しい世界だと思います。

映画は、アップで観られるのでいいですね。
ちなみにチケット代は二千百円でした。

*いわながひめ このはなさくやひめ スサノオノミコト など、正確な字はチェックしていません。