お天気のお姉さん

 仕事がら、日頃、風邪をひかないよう気を付けている。そのため、気象情報は丹念に観る。TVには、いろいろな気象予報士さんが登場されるが、毎日観ていると、自然にお気に入りの人ができる。その私のお気に入りさんは、三人いる。
みなNHKに出演される方だが、まず、渡辺さん(女性)。早朝、屋外での気象情報で、冬などは、まだ暗いうちからの出演だ。スタジオの女性キャスターが、「では、次は気象情報です。渡辺さん、おはようございま〜す」と呼びかけると「はい、おはようございます」と言って登場される。この方は「今日は、半袖で大丈夫です」とか「羽織るものが必要ですね」また冬だと「このように、マフラーと手袋もご用意なさってください」と、実際に身につけているものを、示しながら、お話される。若い方のようなので(二十代か?)、熟年の私は、ちょっと加減して考えなければいけないのだが、大変、参考になる。「そこまでしなくても・・・過保護じゃないか?」と思われるむきもあるかもしれないが、一人暮らしの私には、ありがたい。
 次に平井さん(男性)。この方は、ずいぶん長い間、NHKに出ていらっしゃる。もう中年なのかもしれないが、いつまでも、爽やかな好青年のような雰囲気を持つ方だ。屋外でのスポーツがお好きだそうで、なるほどとうなずける。ベテランということもあり、私は、この方に一番信頼を置いている。
 最後に、南さん(男性)。なんだかおじさんぽい印象の方ではある。下手な(ごめんなさい)川柳や俳句を時々、披露される。関西のご出身らしく、言葉になまりがある。NHKに出演される方には珍しいと思う。だが、そこが人間らしくていい。なまりが全然ない人なんて、NHKのアナウンサー以外、それほどいないのではないか。
 毎朝、出勤前に顔を出す弟は、私が気象情報を熱心に観ていることを知っているので、私に「今日の天気は?」と訊くことが多い。弟にとっては、まさしく私は“お天気のお姉さん”なのだ。