きっかけは「ポーの一族」

 暑い日々が続きます。怪談の季節です。
子供のころ読んだブラム・ストーカーの「ドラキュラ」の怖かったこと・・・夜寝るときには、吸血鬼が嫌うということで、十字架のペンダントを身に着けたものです。
 その吸血鬼(バンパネラ)が主人公の萩尾望都の「ポーの一族」とは、20代の前半に出逢いました。
家族旅行の旅先の寮のロビーで、日ごろあまり読まない漫画雑誌を手に取って読んだのですが、この雑誌に「ポーの一族」の序章「グレン・スミスの日記」が載っていました。
 とても魅力的でした。そして、なぜか、これを読んで、私も、なにか自己表現できる手段があれば・・・と強く思いました。
 その後、萩尾望都が、私とあまり違わない年齢だということを知り、この人は、もうこんな素晴らしい世界を創っているのに自分は・・・、と、あせりと無力感のようなものを感じました。
 それから長い時が流れ、いろいろなことがあり、ライフワークとなるだろう朗読と巡り合ったのは、40才を過ぎてからでした。
 「ポーの一族」には、読んだ人に、私も自分を表現したい、と強く思わせる力があるようです。