遊び・・・演じること

「遊び」を和英辞書で調べると、”play"となっている。
また、”play"を英和辞書で調べてみると、楽器を演奏する、という意味や演じる、という意味がある。
私は、楽器演奏には縁がないが、演じる方には縁がある。(なんだか駄洒落みたい!)
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朗読の勉強を始めて間もない頃、ある時代小説が教材になった。
杉本苑子の「ぎやまんの櫛」だ。
その小説に登場する、江戸っ子の男の人の”べらんめえ”口調のセリフを読んだ時、体中を快感が走った。
現代に生きる私たちが、江戸時代に行けるはずがないし、女性は、男性にはなれない(もっとも、この頃では、可能だという話も聞くが)。
それから、”べらんめえ”みたいな、お行儀の悪い言葉も、あまり人前では話せない。
この世では、実現不可能なことが、演じることで可能になるのだ。
別人になって、現実のしがらみから解き放たれ、異空間に身を漂わせる。
これは、まさしく「遊び」だ、それも最上級の・・・と、この時思った。